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佐々木 祐二; 伴 康俊; 森田 圭介; 松宮 正彦*
no journal, ,
希土類元素は希少元素であるが産業界でも多く利用されており、相互分離及び回収について、よりよい手法を開発しておく必要がある。硝酸溶液中の希土類元素はジグリコールアミド化合物による抽出が有効である一方で、相互分離比は高くない。したがって、向流接触の多段抽出法を採用し、分離効率を上げる必要がある。ここでは、この分離技術について基礎的な検討を行ったので、その結果について報告する。
三枝 祐; 山本 昌彦; 稲田 聡; 久野 剛彦
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長半減期の低エネルギー線放出核種であるselenium-79(Se)は、放射能分析が困難な核種であり、使用済核燃料再処理に伴うガラス固化体の地層処分において公衆被ばく線量の占有率の高さから、線量評価上分析ニーズの高い核種である。誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)では同重体干渉のため、Seの正確な分析が困難である。そこで本研究では、セル中に反応ガスを導入し、測定対象の質量数をシフトさせることが可能なコリジョンリアクションセル型ICP-MSを使用したSe分析法について検討した。本発表では、HAW中のSeを測定するために実施した基礎試験結果を報告する。
今田 未来; 堀田 拓摩; 浅井 志保; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 石森 健一郎; 亀尾 裕
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Srの従来の放射能分析は、Yとの放射平衡待ちが必要で、緊急時の対応が難しいという課題があった。そこで我々は、Sr分析の迅速化を目的としてSrに対して高い選択性を有するクラウンエーテル誘導体を担持したSr吸着繊維を開発した。これまでの検討では、試料溶液の液性はSr吸着率が最大となるHNO 8Mとしていたが、劇物でない安全な試薬を用いて吸着を行うために、毒劇物でないNaNO溶液を使用し、HNO使用量の低減化を検討した。その結果、HNO濃度が高い方がSr吸着率は高いが、HNOが0Mであっても吸着率は65%とHNOが8Mのときの約7割であり、HNOの代替としてNaNOを試料採取現場での安全なSr吸着操作に使用できることが分かった。
金田 結依*; 鈴木 伸一; 矢板 毅
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原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは、土壌中の2:1型の粘土鉱物の層間に入り込むと強く固定され、従来のイオン交換法では除去することが困難であることが報告されている。そこで本研究では、2:1型粘土鉱物の黒雲母とイライトを対象とし、それらの層間へ水分子のネットワーク構造を構築するイオン(Structure-Making Ions : SMI)を挿入することで、層間を拡げて層構造を破壊せずに133Csを脱離させることを検討した。SMIを用いて長時間の撹拌試験を行った場合と、短時間の撹拌の都度新しいSMIに交換し、繰返し撹拌試験を行った場合では、後者の繰り返しSMIを用いた方がCs脱離率の若干の増加及び層間の顕著な拡張が確認された。このことから新しいSMI溶液を用いた撹拌を繰返し行うことで、粘土鉱物の層内に水和したイオンの侵入が促進されたと考えられる。一方、粘土鉱物からのSMIによるCs脱離率は5割程度に留まることが示された。この結果は、層構造が変化しても固定されたままCsが層間に存在することを示すものである。今後、Cs脱離率の更なる向上を目指した撹拌条件やSMI濃度依存性などを検討すると共に、SMIにより層構造を変化させても層間に存在するセシウムの状態分析等を実施する予定である。
阿部 雄太; 山下 拓哉; 川上 智彦*
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BWRでは制御材に炭化ホウ素(BC)を用いておりシビアアクシデント(SA)時の炉心溶融により酸化物の約2倍の硬度を持つホウ化物が生成される可能性がある。したがって、廃炉における燃料デブリ取り出しを効率的に行うためには、金属、酸化物及びホウ化物を判別しながら取出工法を選定する必要がある。SA時の炉心溶融挙動の事象推移を評価するためには、数wt%のB分布について広い範囲(約1010cm)の測定範囲をmmオーダーの分解能で測定する必要があるため、EPMAを用いたBの元素マッピング手法を開発した。Bの元素マッピングで用いるB-K線近傍は、原子炉内にも存在するZr-Mz線の裾と干渉することが課題であるため、Zrの元素マッピング(L線)を用いてBの元素マッピング(K線)結果からZr-Mz線の影響を画像処理で補正した。
岡崎 航大*; 川上 智彦*; 阿部 雄太; 大高 雅彦
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制御材に炭化ホウ素(BC)を用いている原子炉(福島第一原子力発電所等)では、酸化物の約2倍の硬度を持つホウ化物が生成されているため、金属, 酸化物及びホウ化物を判別しながら燃料デブリを取り出すのが効率的である。本報告は、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いた元素分析を用いて、金属, 酸化物及びホウ化物を判別し、硬度計測方法への適用性を評価した。BWRの炉心溶融・移行挙動を解明するためのプラズマ加熱試験体(CMMR試験体)を用いた。測定は、EPMAによる試験体表面の元素マッピング情報および半定量情報を基に測定箇所を選定した後に、ホウ素Bの半定量情報を得るためにLA-ICP-MSによる測定を実施し、LIBS計測結果とビッカース硬度を比較した。ビッカース硬度10GPa以上の領域でLIBS計測によるB, O, Zr比(B/O/Zr比)と硬度(GPa)に正の相関が得られ、硬度計測へのLIBSの応用が示唆された。
長谷川 友里; 本田 充紀; 鈴木 伸一; 矢板 毅
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黒雲母はセシウムを強く吸着することが実験や理論により提案されており、放射性汚染土壌の減容において注目を集めている。近年、アルカリ塩(NaCl-CaCl)と黒雲母を加熱することで、Csを塩化物相へ移行すると同時に、出発材料とは異なる種類のPyroxeneやwadalite, FeO, CaCOの成長が確認された。これらの結晶を機能性材料として利用するには、選択的な結晶成長が重要となる。本研究では、混合比の異なるアルカリ塩と黒雲母とを加熱し、結晶成長の変化を調べた。混合比がNaCl:CaCl=7:3の溶融塩を用いた場合、Pyroxeneの成長が抑制され生成物の大部分をwadaliteが占めることがわかった。本結果から、NaCl-CaClの混合比によって黒雲母からのケイ酸塩鉱物の選択的な結晶成長を制御し得る可能性が得られた。